ロックバンドの花形楽器と言えば、ギターですよね。
ロックバンドの場合、ギターを持っているだけではバンドの中で演奏する事は難しく、普通はギターアンプというものにつなげて演奏します。
今回は、おすすめのギターアンプを紹介します。
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ギターアンプの役割
ギターアンプの役割は、ギターの音量を大きくする事です。
ギターは弱音楽器に属していて、アコースティックギターなどはボディというギターの胴体の部分を空洞にして、音を増幅するようにしています。
しかしそれでも他の楽器に比べるとギターの音量は小さく、クラシックギターでもギターの音量の小ささは、ヴァイオリンやフルートなどとの合奏で問題になるほどです。
こうした事情から音量を上げる必要が生じ、ギターアンプが開発されました。
ジャズ用のギターなどは、音楽の質的にそこまで音量をあげなくても良いのでギターのボディがサウンドホール(空洞)になっていますが、ロックのようにドラムと同じぐらいまで音量を増幅しなければいけない音楽の場合、サウンドホールがあると音が共振してしまう問題が起きるため、ロックなどで使うギターはボディーがホールではなくソリッド(1枚の板)で出来ています。
本来、ギターの音は、他の楽器と同じように、楽器自体で作るものでした。しかし一般的なエレキギターの場合、他の楽器のように発音部(ギターの場合は弦の振動)や増幅器(ギターの場合はサウンドホール)の鳴りなどをすべて合わせた音ではなく、弦の振動だけを電気信号に変換してアンプに送る(ギターに取りつけてある「コイル式ピックアップ」という装置を使います)構造になっています。
このため、ギター以降で音を作る必要が生じ、アンプには音量増幅器という役割のほか、音色を作るという役割も持つ事になりました。アンプ以外で音色を作るものにエフェクターがありますが、もっとも基本的な音色の決め手となるものはアンプで、エレキギターの音においてはギターよりもアンプが重要と言われているほどです。
ギターアンプにつなぐ事の出来るギターのほとんどは「コイル式ピックアップ」を使って弦の振動を電気信号に変えるものです。
しかし、そうではない方法を使ってアンプに信号を送るギターも存在します。
ひとつは、「ピエゾ」という方式のピックアップを用いるもので、これは弦の振動ではなくボディの振動を電気信号に変えるものです。もうひとつは、ギターにマイクを取りつけ、その音声信号をそのままアンプに送るものです。これは、ギターそのものの音色にこだわるアコースティック・ギターを用いた音楽などで使われる事があります。
この3種類それぞれでアンプの種類も変わります。簡単に言うと、アコースティック・ギターの音をそのまま生かしたいマイクを使るのであれば、アンプによる音のキャラクターは少ないほど良く、一般的なピックアップ式のエレクトリック・ギターで音を作り込む必要がある場合は、アンプによる音のキャラクターが重要になります。
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自宅練習できる初心者におすすめのギターアンプの選び方のポイント
先に、アコースティックな音の推薦から書いておきます。マイクあるいはピエゾタイプのピックアップからギターアンプにつないで自然な音を出したい場合、ギター自体で音が完成しているため、癖がない音が好まれる傾向にあります。
こちら方面での推薦は、FISHMAN のLOUDBOX がおすすめです。自宅練習用には、ヤマハのTHR5Aというアコースティック・ギター用のギターアンプがおすすめ。
そして、一般的なエレキギターの場合。先に、自宅用ではなく、非常に有名なギターアンプの種類を4種類紹介しておきます。
1.Marshall
ハードロック系のディストーションサウンドの定番で、プロのギタリストはあのひずみをエフェクターではなくてアンプで作る事が多いです。
2.Fender というメーカーが作ったTwin Reverb というアンプ
これはチューブのナチュラルな太さに対して、アンプのゲイン操作で自然な歪みや、たいへんに評判の高いリヴァーブをつけることが出来、ジャンル問わず愛好されている名機です。
3.Roland のJazzChorus
ジャズという名前がついていますが、ロックやポップスでも頻繁に利用されます。特徴は非常に綺麗で澄んだ音が得られるという事と、ふたつのスピーカーを使ってコーラス効果を得た音が作れること。ジャズコーラスの音が欲しければ、このアンプ以外にありません。
4.Polytone のbrute というシリーズ。
ジャズギターで定番のアンプで、ジャズのライブハウスでギターアンプというと、これが置いてあることが多いほどの定番です。
そして、自宅練習用のおすすめアンプ、まずはヤマハのTHR5です。先ほど紹介したTHR5Aとの違いは、あちらがアコースティック用であるのに対し、こちらがエレキ用という点。エフェクターもひと通り入っており、他にエフェクターをたくさん買いそろえる必要がないのも便利な点で、一台は持っておきたい自宅用アンプです。
もうひとつの推薦は、PEAVEYのBACKSTAGE。THR5は音もよく大変便利ですが、ライブハウスで使う大きなアンプの音作りの練習は出来ません。自宅でアンプの音作りの練習をしたいのであれば、自宅用の小型アンプの中では音が本物に近いこのアンプがおすすめで、つまみのセッティングなどでの「アンプでの音作り」の練習ができます。
3.選んではいけないものは?
用途の違うアンプを買う事だけは避けましょう。ハードロックの歪んだ音を出したいのにアコースティック用のアンプを買ったり、逆にボサノヴァのように美しい音を出したいのにエレキ用の派手な音のするアンプを買ってしまうと、どんなにがんばっても自分好みの音は出せません。
まとめ
エレキギターの音は、ギターよりもアンプが重要と言われます。また、音の趣味は十人十色です。上記の予備知識をもとに、実際に楽器屋に行って音を出し、自分が気に入ったものを買うようにしましょう。いいギターアンプを買うと、それがミニサイズのものであたとしても一生付き合うことが出来ます。